初潜入
今日、四限後、かずし嬢とたまり場でお会いしました。
外は陽の光りまぶしく、一枚の扉隔てた薄暗いその場所で私は目を細めたのでした。
沈黙が私たちの中に腰を下ろしたとき、私は突然一つの提案を口にしました。
「ねえ、スズキコウジんち行かない!?」
かずし嬢は、にやっとわらい、モバイルフォンをピッポッパ!
強引に私たちはスズキコウジの家に押し掛けることを決めたのでした。
すずかけの道で映像身体学科の松尾健太くんに会いました。
そこで松尾くんもスズキコウジのうちに行くことに・・・
スズキコウジはだるさ全開の家着で迎えにきてくれました。
スズキコウジの家は、無機質で、閑散としていました。
「もう計四日、学校をまるまる休んでしまいました。」
アンニュイな彼を助長してしまう日当りのよいその部屋には、ビールの空き缶と、エヴァンゲリオン全巻。
松尾くんが言いました。
「色の無い部屋だね。カーテンの色を変えれば?」
スズキコウジは、答えました。
「この色はだいぶ気に入って買ったんだ。」
灰色。
いてもたってもいられないかずし嬢が、本日川崎ピンコさんにいただいた、『INVISIBLE』『三人の超越者たち』『奇病夫婦』収録のDVDを見ることを提案。
『奇病夫婦』のクライマックスで、私はちょっと泣きました。
それを見て、スズキコウジは・・・
笑ってました。
松尾君が六時半ごろ、帰るといいました。
彼を送って行ったスズキコウジは酒とスナック菓子を買って帰ってきました。
いい奴です。
本日のスズキコウジ家の晩ご飯
「柿の種」
邪魔したな、またくるぜ。
インソムニア・マリエ。